トヨタのミニバン、アルファード。その堂々たる風格、豪華絢爛な内装、そして広々とした快適な移動空間は、多くの人々を魅了し、まさに「いつかはクラウン」ならぬ「いつかはアルファード」と言われるほどの存在ですよね。私も様々な情報を集め、試乗を重ねて、ついにオーナーになった一人です。
もちろん、アルファードが素晴らしい車であることは間違いありません。長距離移動の快適さ、家族や友人からの評判の良さ、そして何より所有する満足感は格別です。しかし、実際に日常の足として、特に街乗り中心でアルファードを使い始めてみると、カタログや短時間の試乗だけでは見えてこなかった「意外な欠点」が見えてきました。
この記事では、アルファードオーナーの私が日々感じている、普段使い・街乗りにおける「意外な欠点」を5つ、包み隠さずお伝えしたいと思います。これからアルファードの購入を検討されている方、特に日常的な使い勝手を重視する方にとっては、きっと参考になるはずです。もちろん、これらの欠点を理解した上で、それでもアルファードを選ぶ価値があるのか、という点まで深掘りしていきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
1. 憧れのアルファード!でも…
まずは、私がアルファードとの生活を始めて「あれ?」と感じ始めた、日常シーンでの出来事からお話ししましょう。
1-1. アルファード購入!夢のカーライフのはずが…?
納車された日の高揚感は今でも忘れられません。大きなボディ、輝くエンブレム、そして乗り込んだ瞬間に広がる上質な空間。家族も大喜びで、「これでどこへでも行けるね!」と夢は膨らむばかりでした。高速道路での安定感や静粛性は期待通り、いや期待以上で、長距離ドライブは本当に快適そのものです。
1-2. カタログや試乗だけでは分からなかった「日常の壁」
しかし、その感動も束の間。いざ日常の買い物や子供の送迎、近所の狭い道など、いわゆる「街乗り」で使い始めると、カタログスペックやディーラーでの短時間の試乗では気づかなかった、細かな不便さやストレスを感じる場面が出てきました。それは、決して車の性能が低いということではなく、アルファードという車のキャラクターゆえの宿命のようなものかもしれません。
1-3. 私が感じた「意外な欠点」
これからご紹介するのは、私が実際にアルファードを日々使う中で「これは意外だったな」「ちょっと困ったな」と感じた具体的なポイントです。もちろん、これらは私の主観も含まれますし、対策や慣れでカバーできる部分もあります。しかし、購入前に知っておくことで、より後悔のない車選びができるはずです。
2. 【私が感じた欠点①】駐車場の「ラスボス感」半端ない!
まず、アルファードオーナーが最初に、そして最も頻繁に直面するであろう問題が、駐車スペースとの戦いです。
2-1. スーパー、商業施設、どこも枠ギリギリ
- 枠内に収まらない、またはドアが開けられない: アルファードの全幅は約1,850mm(40系)。これは国産車の中でもかなり大きい部類に入ります。一般的な駐車場の白線(幅2.5m程度)に停めると、左右の余裕はかなり少なく、隣にも大きな車がいる場合はドアの開閉に非常に気を使います。正直、子供がいると隣の車にドアパンチしないかヒヤヒヤです。
- 郊外のコインパーキングはキツイ: 意外にも都市部のコインパーキングは枠が広めに取られていることも多く、それほど困ることはありません。実際、アルファードよりも大きな高級外車も止まっていることも多いです。しかし、郊外や田舎のコインパーキングなどでは駐車枠が意外に狭く、立地もタイトであることが多いためかなり気を使います。場所によっては諦めることもあります。
2-2. 機械式駐車場はほぼ100パー無理!
都市部でよく見かける機械式駐車場。これがまたアルファードにとっては難関です。
- 全高制限: アルファードの全高は約1,935mm~1,950mm(40系)。多くの機械式駐車場(特に地下や古いタイプ)は、全高1,550mm制限という場所が多く、まずここで弾かれます。ハイルーフ対応の場所でも、1,800mmや1,900mm制限ということもあり、入念な確認が必要です。
- 全幅・全長制限: 高さクリアしても、今度は全幅や全長、タイヤ幅、最低地上高、重量などが制限に引っかかります。停められる機械式駐車場はほぼ無いと言っていいレベルです。
2-3. 外出先の駐車場探しが新たなストレスに…
結果として、外出先で駐車場を探すのが以前より格段に大変になりました。「あそこの駐車場、アルファード入るかな…」と常に気にするようになり、これが地味にストレスです。せっかくの広い室内も、停める場所がなければ宝の持ち腐れになりかねません。
3. 【私が感じた欠点②】洗車が重労働!
次に、この大きなボディをキレイに保つための洗車の大変さです。
3-1. 手洗い洗車は覚悟が必要なボディ面積と高さ
- 洗う面積が広大: アルファードのボディは大きく、特にルーフ部分は面積も広く、高さもあるため、脚立なしでは中央まで手が届きません。隅々まで手洗いしようとすると、普通の車より1.5倍~2倍の時間がかかる覚悟が必要です。夏場は汗だく、冬場は凍える思いをします。
- 拭き上げも重労働: 洗車後の拭き上げも同様に大変です。水滴を残さずキレイに拭き上げるのは、かなりの体力と時間を要します。
3-2. 洗車機も選びます…対応サイズと追加料金
「じゃあ洗車機に入れればいいじゃないか」と思いますよね。しかし、ここにもハードルがあります。
- サイズ制限: ガソリンスタンドなどの一般的な門型洗車機では、「RV・1BOXコース」といった大型車対応コースを選ぶ必要がありますが、それでも全高や全幅がギリギリで、洗車機によっては「入らない」と断られることも。特にエアロパーツなどを装着している場合は要注意です。
- 追加料金: 大型車対応コースは、通常の洗車コースよりも料金が高く設定されていることがほとんどです。
- 洗い残しの可能性: ボディが大きい分、洗車機のブラシが届きにくい箇所(ルーフ中央、バンパー下部など)ができやすく、洗い残しが発生することも。
3-3. キレイを保つための労力とコストは想定以上
結果として、アルファードを常にキレイな状態に保つためには、想像以上の労力、時間、そしてコストがかかることを実感しています。コーティング施工は必須かもしれませんが、それも高価ですよね。
4. 【私が感じた欠点③】街中での「小回りの利かなさ」にため息
アルファードの運転感覚、特に街中での取り回しについても触れておきましょう。
4-1. 狭い路地、Uターン…「え、曲がれない?」の連続
- 最小回転半径: 40系アルファードの最小回転半径は5.6m~5.8m。これは、セダンなどと比較するとやはり大きいです。
- 実際の感覚: 数値以上に、狭い路地での右左折や、Uターンが必要な場面では「思ったより曲がらないな」と感じることが多いです。一度で曲がりきれず、切り返しが必要になることもしばしば。対向車が来ていると、冷や汗をかくこともあります。
- 内輪差・外輪差: ボディが大きいため、当然ながら内輪差・外輪差も大きくなります。巻き込みや接触には細心の注意が必要です。
4-2. 日常のちょっとした場面での運転ストレス
特に、
- 住宅街の狭い生活道路
- 昔ながらの商店街
- 駐車場の狭い区画への出し入れ
といった場面では、その大きさと小回りの利かなさが、運転時のストレスに繋がります。パノラミックビューモニターなどの運転支援機能は非常に役立ちますが、それでも物理的な大きさはいかんともしがたい部分があります。
自分が苦労するのはもちろん、対向車にも申し訳ないため、あまり狭い生活道路には入らないようにしています。
5. 【私が感じた欠点④】意外と伸びない「街乗り燃費」と給油頻度
アルファード、特にハイブリッドモデルは燃費が良いイメージがありますが、普段使いでのリアルな燃費はどうでしょうか。
5-1. カタログ燃費と実燃費のギャップ(特に市街地)
- ハイブリッドモデル(40系 E-Four)のカタログ燃費(WLTCモード): 16.5km/L~17.5km/L程度。
- 実際の街乗り燃費: 私の乗り方(都心部~郊外のストップ&ゴーが多い環境)では、良くても12km/L程度、渋滞時やちょい乗りが多いと一桁台に落ち込むことも珍しくありません。もちろん運転の仕方や状況によりますが、カタログ値とのギャップはそれなりに感じます。
5-2. 「高級車だから」と割り切れない給油ランプの点灯頻度
車両価格が高いので「燃費なんて気にしない」という方もいるかもしれませんが、給油ランプが思ったより早く点灯するのは、やはり気分の良いものではありません。燃料タンク容量は60Lありますが、実燃費を考えると、給油頻度はコンパクトカーなどと比べて当然高くなります。
5-3. ハイブリッドでも「思ったほど…」と感じる瞬間
「ハイブリッドだから燃費は安心」と思って購入すると、特に街乗りメインの使い方では「あれ、思ったより燃料計の減りが早いな…」と感じるかもしれません。もちろん、この大きなボディと快適性を考えれば十分優秀な燃費なのですが、期待値が高すぎるとギャップを感じるポイントです。
6. 【私が感じた欠点⑤】「こんなはずでは…」細かすぎて伝わらない不便ポイント
最後に、実際に日々使っていて「うーん、ここはちょっと…」と感じる、細かな不便ポイントをいくつか。
- 運転席周りの「本当に使える」収納の少なさ: センターコンソールは大きいですが、スマートフォンや財布、飲み物などをサッと置ける「丁度いい」場所が意外と少ない、あるいは使い勝手がイマイチと感じることがあります。
- 後席スライドドアの「重さ」と「開閉スペース」: 電動スライドドアは非常に便利ですが、手動で開け閉めしようとすると意外と重さを感じます。また、ドアが大きく開く分、狭い場所では隣の車や壁にぶつけないか気を使います。
- 視界の死角: Aピラー(フロントガラス左右の柱)が太く、右左折時の横断歩道の確認などで死角になりやすいと感じます。Cピラー(リアサイドの柱)も大きく、斜め後方の視界も良くありません。運転支援機能は必須です。
- 乗降時のステップの高さ: 小さな子供や高齢者にとっては、乗り降りの際にフロアの高さが少し気になるかもしれません(電動サイドステップがあれば解消されますが)。
これらの点は、本当に「使ってみて初めてわかる」細かな部分ですが、日常の使い勝手にじわじわと影響してくるポイントです。
7. それでもアルファードは最高!デメリットを理解し、どう付き合うか
ここまで、私がアルファードを日常的に使って感じた「意外な欠点」を正直にお伝えしてきました。「やっぱりアルファードは大変そうだな…」と思われたかもしれません。しかし、後悔はしてませんよ!
7-1. 「欠点」はアルファードの魅力の裏返しでもある
しかし、これらの欠点の多くは、アルファードが持つ「大きなボディサイズ」「広い室内空間」「高い静粛性や安全性」といった魅力の裏返しでもあるのです。
- 大きくて駐車に困る → その分、室内は広大で快適。
- 洗車が大変 → それだけ存在感があり、磨きがいのある美しいボディ。
- 小回りが利かない → その分、直進安定性や高速走行時のどっしり感は抜群。
- 街乗り燃費が伸び悩む → 重厚なボディと静粛性、安全性を実現するためにはある程度の重量は必要。
7-2. 私が実践しているデメリットとの付き合い方・対策
実際に私がこれらのデメリットとどう付き合っているかというと、
- 駐車場: 事前に行く場所の駐車場情報を調べる癖がつきました。広い駐車場のある施設を選んだり、少し離れても確実に停められる場所を探したり。
- 洗車: 月に1回、時間をかけて手洗いするか、近所の手洗い洗車サービスを利用。洗車機は極力避けています。
- 運転: 狭い道は選ばないようにする。運転支援機能をフル活用。
- 燃費: エコ運転を心がけ、不要なアイドリングをしない。
- 収納など: アフターパーツの収納グッズを活用したり、置き場所を工夫したり。
慣れと工夫で、多くのデメリットはある程度解消できるものです。
7-3. デメリットを上回る、アルファードならではの満足感とは
そして何より、これらの細かな不便さを補って余りあるのが、アルファードでしか味わえない圧倒的な満足感です。
- 移動がエンターテイメントになる快適空間: 長距離でも疲れ知らず。家族や友人を乗せれば、その快適さに誰もが笑顔になります。
- 所有する喜びとステータス性: やはり「アルファードに乗っている」という事実は、特別な高揚感を与えてくれます。
- 家族とのドライブの楽しさ: 広い室内は、ドライブ道中のちょっとした休憩でものびのびとくつろぐことができる、まさに移動リビングのようなイメージです。私よりも家族のウケがいいのもアルファードの良いところの一つかもしれません。
これらの満足感は、日常の小さな不便さを忘れさせてくれるほど大きい、というのが私の正直な気持ちです。
8. まとめ:アルファードの「意外な欠点」を知って、後悔のない選択を!
トヨタ アルファードは、間違いなく日本を代表する最高級ミニバンであり、多くの人々にとって憧れの存在です。しかし、その大きなボディと豪華さゆえに、日常的な普段使い(特に街乗り)においては、カタログや短時間の試乗だけでは見えてこない「意外な欠点」も存在します。
【アルファード普段使いでの主な欠点】
- 駐車場の制約(サイズ、機械式NGなど)
- 洗車の大変さ(労力、コスト)
- 街中での小回りの利かなさ
- 思ったより伸びない街乗り燃費
- 細かな使い勝手(収納、スライドドア、死角など)
これらのデメリットを事前に理解しておくことは、購入後の「こんなはずじゃなかった…」という後悔を避けるために非常に重要です。
しかし、これらの欠点は、アルファードが持つ「広大な室内空間」「圧倒的な存在感」「高い安全性と快適性」といった大きな魅力と表裏一体でもあります。大切なのは、ご自身のライフスタイル、車の使い方、そして何を重視するかを明確にし、これらのデメリットが許容範囲内かどうかを冷静に判断することです。
もしあなたが、これらの「意外な欠点」を理解した上で、それでもアルファードでしか得られない特別な価値(快適な移動空間、所有する喜びなど)に魅力を感じるのであれば、アルファードはあなたにとって最高のパートナーとなり得るでしょう!