マツダ車はリセールバリュー悪すぎ!?その理由と実態について詳しく解説

2025-05-15

美しい「魂動デザイン」や、運転する楽しさを追求した「SKYACTIV技術」など、近年その独自性と質の高さで多くのファンを魅了しているマツダ車。実際に試乗してみると、その走りの良さや内外装の質感に「おっ、これは!」と感心させられることも多いですよね。

しかし、そんな魅力的なマツダ車に対して、昔から囁かれているのが「リセールバリュー(売却時の価値)が悪い」という噂です。「マツダ地獄」なんていう少し過激な言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。車を購入する際、数年後の売却価格は無視できない要素だけに、この噂はマツダ車の購入を検討している方にとって大きな不安材料となっているのではないでしょうか。

この記事では、そんなマツダ車のリセールバリューに関する噂の真相に迫ります!なぜ悪いと言われてしまうのか、その具体的な理由と考えられる背景を深掘り。そして、本当に全車種がそうなのか、近年の状況に変化はあるのかといった実態についても詳しく解説します。さらに、少しでもリセールを高めるためのポイントや、リセールバリューだけでは測れないマツダ車の本当の魅力についても触れていきます。この記事を読めば、マツダ車のリセールに関するモヤモヤが解消され、納得のいく車選びができるはずです!

1. マツダ車のリセールは悪すぎ?噂の真相

まず、「マツダ車のリセールは悪い」という噂がどこまで本当なのか、そしてリセールバリューとは何かを見ていきましょう。

1-1. 「マツダ地獄」は過去の話

かつて、マツダ車は大幅な値引き販売が常態化していた時期があり、その結果として中古車価格も下がりやすく、「一度マツダ車を買うと、次にマツダ車以外に乗り換える際に下取り価格が低くて苦労する(だからまたマツダ車を買うしかなくなる)」といった状況を指して「マツダ地獄」などと揶揄されることがありました。

しかし、これは主に過去の話です。現在のマツダは、ブランド価値向上戦略を推進し、安易な値引き販売を抑制。魂動デザインやSKYACTIV技術といった独自性を前面に出し、中古車市場での評価も以前とは大きく変わってきています。それでもなお、「マツダはリセールが…」というイメージが根強く残っているのも事実です。

1-2. リセールバリューとは?何が価格を左右するのか

リセールバリューとは、新車で購入した車を数年後に中古車として売却する際の価値(価格)のことです。一般的に、以下の要素がリセールバリューに大きく影響します。

  • 需要と供給のバランス: 中古車市場で人気があり、需要が高い車種はリセールが高くなる傾向があります。
  • 人気グレード・カラー・オプション: 同じ車種でも、人気のあるグレードやボディカラー、サンルーフなどの人気オプションが付いていると有利です。
  • 車両の状態: 走行距離、年式、内外装の傷や汚れ、修復歴の有無、メンテナンス状況などが大きく影響します。
  • モデルチェンジのタイミング: フルモデルチェンジやマイナーチェンジが行われると、旧型モデルの価格は下落する傾向があります。
  • ブランドイメージ: メーカーや車種のブランドイメージも、中古車価格に影響を与えることがあります。
  • 海外での人気: 特定の車種が海外で人気がある場合、輸出需要によって国内の中古車価格が押し上げられることもあります。

1-3. この記事でわかること

この記事では、以下の点を中心に、マツダ車のリセールバリューについて詳しく解説していきます。

  • なぜマツダ車のリセールが「悪い」と言われることがあるのか、その理由
  • 本当に全車種のリセールが悪いのか、車種による違いや近年の変化
  • マツダ車のリセールバリューを少しでも高めるためのポイント
  • リセールバリューだけでは測れないマツダ車の魅力

2. なぜマツダ車のリセールが悪いと言われるのか

では、なぜ今でも「マツダ車のリセールは悪い」というイメージが持たれたり、実際に一部でそのような傾向が見られたりするのでしょうか?考えられる理由を5つ挙げてみます。

2-1. 【理由①】過去の新車販売戦略の影響(大幅値引きのイメージ)

前述の通り、かつてマツダはシェア拡大のために新車販売時に大幅な値引きを行うことがありました。新車が安く買えるということは、中古車になった際の価格も下がりやすいという連鎖を生み、「マツダ車は値落ちが大きい」というイメージが定着してしまった一因と考えられます。 現在のマツダはこのような販売戦略を改めていますが、過去のイメージが払拭されるまでには時間がかかるのかもしれません。

2-2. 【理由②】ブランドイメージと中古車市場での需要層

  • トヨタ・ホンダとの比較: 国内市場では、やはりトヨタやホンダといったメーカーのブランド力は絶大です。中古車市場でも、これらのメーカーの人気車種は幅広い層から安定した需要があり、リセールバリューも高値を維持しやすい傾向があります。マツダ車も素晴らしい車が多いですが、中古車市場における絶対的な需要のボリュームという点では、これらのトップブランドに一歩譲る面があるかもしれません。
  • コアなファン層: マツダ車は、その独特のデザインや走行性能から、熱狂的なファン(いわゆるマツダ党)に支えられている側面があります。しかし、逆に言えば、一般的な大衆受けという点では、少しニッチな存在と見られることもあり、中古車市場での買い手の幅が限定される可能性が考えられます。

2-3. 【理由③】独自の技術や個性的な車種の多さ

マツダは、ロータリーエンジン、SKYACTIV技術(特にディーゼル)、魂動デザインなど、他社とは一線を画す独自の技術やデザインを追求してきました。これはマツダの大きな魅力ですが、一方で、

  • メンテナンス性への懸念: 特殊な技術(過去のロータリーエンジン)は、メンテナンスできる工場が限られたり、専門知識が必要だったりする場合があり、中古車として購入する際のハードルになることがあります。
  • ニッチな市場性: あまりにも個性的すぎる車種は、中古車市場で万人受けせず、需要が限られる可能性があります。

ただし、SKYACTIV技術や魂動デザインは近年高く評価されており、この点がリセールにマイナスに働くとは限りません。むしろ、最近ではプラスに作用している面も多いでしょう。

2-4. 【理由④】法人需要やレンタカーなどでの流通量の違い

一般的に、法人需要が多い車種や、レンタカー・カーシェアリングなどで大量に導入される車種は、数年後に中古車市場にまとまって流通するため、供給過多になり価格が下がりやすいと言われます。マツダ車は、トヨタ車などに比べて、この種のフリート販売の比率が比較的低い(あるいはそういったイメージが少ない)ため、一見リセールに有利に思えますが、逆に中古車市場での流通量が少ないことが、相場の形成や安定性に影響している可能性も考えられます。

2-5. 【理由⑤】海外市場での人気と国内リセールへの影響

中古車のリセールバリューは、国内だけでなく海外での人気(輸出需要)にも大きく左右されます。例えば、ランドクルーザーやハイエースなどが異常な高リセールを維持しているのは、海外での圧倒的な需要があるためです。 マツダ車も海外で評価の高いモデルは多いですが、一部のトヨタ車のような、特定の地域で爆発的な人気を誇り、中古車相場を大きく押し上げるほどの輸出需要がある車種は限定的かもしれません。

3. マツダ車のリセールの実態:近年の変化

「マツダ車はリセールが悪い」と一括りにされがちですが、本当にそうなのでしょうか?

3-1. 全車種一律ではない!車種によるリセールバリューの違い

当然ながら、マツダ車の中でもリセールバリューには大きな差があります。

  • 比較的高リセールが期待できる車種(一般的な傾向):
    • ロードスター (MX-5): 世界的に人気のライトウェイトオープンスポーツカー。根強いファンが多く、中古車市場でも常に高い需要があります。特に限定車や状態の良いMT車などは高値が期待できます。
    • CX-5: マツダの主力SUV。デザイン、走行性能、実用性のバランスが良く、中古車市場でも人気が高いモデルの一つ。特にディーゼルモデルや上級グレードは安定したリセールを維持しやすい傾向。
    • CX-8、CX-60 (特にディーゼル): 3列シートSUVのCX-8や、新しいFRプラットフォームを採用したCX-60のディーゼルモデルなども、中古車市場での評価が高まってきています。
  • リセールが厳しい傾向にあると言われる車種(一般的な傾向):
    • 一部のセダンやコンパクトカー: SUV人気に押され、セダン市場全体が縮小している影響や、同クラスに強力なライバルが多いコンパクトカーなどは、リセールで苦戦する場合があります。
    • マニアックなグレードや不人気色: 特殊なグレードや、好みが分かれるボディカラーなどは、一般的な人気色・グレードに比べてリセールが低くなることがあります。

このように、車種やグレード、そしてその時の市場動向によってリセールは大きく変動します。

3-2. 魂動デザインとSKYACTIV以降の変化

近年、マツダは「魂動(こどう)-Soul of Motion」というデザインテーマと、エンジン・トランスミッション・ボディ・シャシーを統合的に開発する「SKYACTIV TECHNOLOGY」を前面に押し出し、ブランドイメージと商品力を大幅に向上させました。

  • デザイン評価の向上: 魂動デザインは国内外で高い評価を受け、マツダ車の見た目の魅力が格段にアップしました。これは中古車としての魅力にも繋がっています。
  • 走行性能・燃費性能の向上: SKYACTIV技術により、走行性能と燃費性能が高次元で両立され、実用的な魅力も増しました。
  • ブランド価値の向上: これらの取り組みにより、「マツダ地獄」と言われた過去のイメージは払拭されつつあり、ブランド全体の価値が向上しています。これが中古車市場での評価にも好影響を与え、以前と比較してリセールバリューは改善傾向にあると言えるでしょう。特に、魂動デザイン採用以降のモデル(2012年頃~)は、それ以前のモデルよりもリセールが良い傾向が見られます。

3-3. データで見るマツダ車のリセール

具体的なリセールバリュー(残価率など)を提示するのは、時期や調査機関によって数値が変動するため難しいですが、自動車メディアや中古車情報サイトなどが発表するリセールバリューランキングなどを見ると、

  • ロードスターCX-5は、国産車全体の中でも比較的上位にランクインすることがあります。
  • 他の車種についても、数年前と比較すると、残価率は改善しているというデータも見られます。

ただし、依然としてトヨタの特定人気車種(ランドクルーザー、アルファード、ハリアーなど)のような、驚異的な高リセールを誇るモデルと比較すると、見劣りする部分があるのは否めないかもしれません。

4. リセールバリューを少しでも上げるために

マツダ車のリセールバリューを少しでも高めるために、オーナーができることはあるのでしょうか?

4-1. 人気グレード・カラー・オプションの選択

新車購入時に、将来のリセールを意識するなら、

  • 人気グレード: 一般的に、中間グレード以上で装備が充実しているものが人気です。マツダで言えば「L Package」や「XD PROACTIVE」など、上質さや安全装備が充実したグレードが狙い目かもしれません。
  • 人気カラー: やはり定番のホワイト系(特にパールホワイト)、ブラック系、そしてマツダ独自の「ソウルレッドクリスタルメタリック」や「マシーングレープレミアムメタリック」といった匠塗カラーは人気が高いです。
  • 人気オプション: サンルーフ、純正ナビゲーションシステム、Boseサウンドシステム、360°ビューモニターなどの人気メーカーオプションは、プラス査定に繋がる可能性があります。

4-2. 定期的なメンテナンスと車両状態の維持

これはどのメーカーの車にも言えることですが、リセールバリューを高く保つためには、車両の状態を良好に保つことが最も重要です。

  • 定期点検・整備: メーカー推奨の点検・整備をディーラーや信頼できる整備工場で定期的に受け、整備記録簿(メンテナンスノート)をしっかり残しておきましょう。
  • 内外装の清掃: こまめに洗車し、内装も清潔に保つことで、見た目の印象が良くなります。
  • 禁煙車: 喫煙車は査定額が下がる大きな要因です。
  • 修復歴をつけない: 事故を起こさない安全運転はもちろんのこと、万が一修復歴がついてしまうと査定額は大幅にダウンします。

4-3. 適切な売却時期と方法の選択

  • 売却時期: モデルチェンジ直前は価格が下がりやすいため、その少し前に売却するのが有利な場合があります。また、車検が残っている方が査定額は高くなる傾向があります。
  • 売却方法: ディーラー下取りだけでなく、複数の買取専門店に査定を依頼する(一括査定など)ことで、より高い価格で売却できる可能性が高まります。

4-4. マツダ車専門店や理解のある業者への売却

マツダ車の価値を正しく評価してくれる、マツダ車専門店や、マツダ車に強い買取業者に査定を依頼するのも一つの方法です。一般的な買取店では見過ごされがちな、マツダならではの魅力(デザイン、走り、特定の装備など)を評価してくれる可能性があります。

5. リセールだけが車の価値じゃない!マツダ車が持つ魅力と購入時の心構え

確かにリセールバリューは車選びの重要な要素の一つですが、それが全てではありません。マツダ車には、リセールバリューだけでは測れない多くの魅力があります。

5-1. 魂動デザインの美しさと所有する喜び

「魂動デザイン」は、生命感あふれるダイナミックな造形美を追求しており、見る人を惹きつける力があります。所有する喜び、運転する高揚感を与えてくれるデザインは、マツダ車ならではの大きな価値です。

5-2. 「人馬一体」の運転する楽しさとSKYACTIV技術

マツダは「人馬一体」という言葉で表現される、ドライバーの意のままに操れる運転の楽しさを追求しています。SKYACTIV技術(エンジン、トランスミッション、ボディ、シャシー)の統合制御により、軽快なハンドリング、リニアな加速感、そして優れた燃費性能を実現しています。運転が好き、走りを楽しみたいという方にとって、マツダ車は非常に魅力的な選択肢です。

5-3. 上質な内外装と安全性

近年のマツダ車は、内外装の質感向上にも目覚ましいものがあります。欧州車にも引けを取らないような、シンプルで上質なインテリアデザインや、こだわりの素材使いは、乗るたびに満足感を与えてくれます。また、安全性能「i-ACTIVSENSE」も常に進化を続けています。

5-4. リセールを気にしすぎない車選びの考え方

車は大きな買い物ですから、リセールを気にするのは当然です。しかし、それに囚われすぎると、本当に乗りたい車、自分のライフスタイルに合った車を選べなくなってしまうかもしれません。

  • 「本当に乗りたい車か」を最優先に: 数年後の売却価格よりも、毎日乗る車としての満足度、運転する楽しさ、デザインの好みなどを優先する考え方もあります。
  • 長く乗るならリセールはあまり関係ない: 10年以上など、長く一台の車に乗り続けるつもりであれば、数年後のリセールバリューの差はそれほど大きな問題ではなくなるかもしれません。

「リセールバリューが多少低くても、それ以上に所有する満足度が高い」と感じられるなら、それはあなたにとって「良い買い物」と言えるのではないでしょうか。

6. まとめ:マツダ車のリセール、正しく理解して賢いカーライフを!

「マツダ車はリセールバリューが悪すぎ?」という疑問について、その理由や実態、そして対策について詳しく解説してきました。

【マツダ車リセールのポイント】

  • 過去のイメージ: かつての大幅値引き販売の影響で「リセールが悪い」というイメージが残っている面も。
  • 理由は複合的: ブランドイメージ、中古車市場での需要層、独自の技術など、様々な要因が影響。
  • 全車種一律ではない: ロードスターやCX-5など、比較的高リセールが期待できる車種も存在する。
  • 近年は改善傾向: 「魂動デザイン」「SKYACTIV技術」以降、ブランド価値と中古車評価は向上。
  • 対策も可能: 人気グレード・カラー選択、状態維持、適切な売却方法でリセールアップを目指せる。
  • リセールだけが価値ではない: マツダ車にはデザイン、走り、質感といった独自の魅力がある。

確かに、一部のトヨタ人気車種のような驚異的な高リセールを全てのマツダ車に期待するのは難しいかもしれません。しかし、「マツダ地獄」と言われた時代は過去のものであり、近年のマツダ車は中古車市場でも適正な評価を受けつつあります。

重要なのは、リセールバリューという一面的な情報だけに惑わされず、その車の持つ本質的な価値(デザイン、走行性能、安全性、そして何より自分がその車を好きかどうか)を総合的に判断することです。そして、もしリセールが気になるのであれば、この記事で紹介したようなポイントを押さえて、賢い車種選びや売却方法を実践することが大切です。

マツダ車は、運転する楽しさや所有する喜びを深く感じさせてくれる、魅力的な車が多いです。ぜひ、リセールに関する情報も参考にしつつ、あなたにとって最高のカーライフを送れる一台を見つけてください。

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